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ドイツ・ベルリンで2025年2月23日、ドイツ総選挙の最初の出口調査の結果に喜ぶ「ドイツのための選択肢(AfD)」の共同党首のクルパラ氏(左)とワイデル氏(左から2人目)。代表撮影=ロイター

 23日に行われたドイツ総選挙で、移民規制の厳格化を訴える右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、第2党になりました。欧州の盟主と言われるドイツの右傾化は、欧州全体にどんな影響を及ぼすのか。欧州政治に詳しい遠藤乾・東京大学大学院教授に聞きました。

  • ドイツ総選挙、排外主義の右翼躍進 ナチスの歴史が問うその意味とは

 ――今回の選挙結果が欧州全体に与える影響をどう見ていますか。

 短期と長期にわけて考えた方が良いでしょう。これから交渉が始まる連立政権に、現首相のショルツ氏が所属する中道左派「社会民主党(SPD)」が残る可能性が高く、短期的には、微温的な変化にとどまりそうです。

 ただ、それは表面的なもので、その下には地殻変動を起こしうる「熱いマグマ」が沸騰状態であり、中長期的には混沌(こんとん)に近い、欧州全体の不安定化につながるおそれがあります。

感じた「ラストベルト」との共通点

 ――「熱いマグマ」が沸騰状…

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